HALU珈琲について

“HALU” ハル=「自然からいただく食の恵み」、「願い」

HALUという言葉にはアイヌ語で「自然からいただく食の恵み」 フィンランド語で「願い」という意味があります。

コーヒーノキ(Coffea属アカネ科)という植物の木の実であるコーヒー豆は、自然から与えられている食の恵みです。人の知恵と力を借り木陰に守られて育った木は、白い花を咲かせ、風や虫達により受粉され、コーヒーチェリーと呼ばれる赤や黄色の丸い実をつけます。摘まれた実は果肉を取り除かれ、発酵や乾燥などの工程を経て、緑色がかったコーヒーの生豆になります。

その生豆達は、各国の生産者さんと加工や流通に携わる多くの方々の手を通して、HALU珈琲のもとへやってきます。そして丁寧に焙煎され届けられたコーヒー豆は、みなさまのもとで、ほっと心を満たしてくれる”一杯のおいしいコーヒー”へと変わります。


『森や畑の生態系の生き物たちからお客様まで、コーヒーに関わるみんながそれぞれに想いをはせ、喜びと幸せで繋がりますように。一杯のコーヒーからやさしさが溢れますように。』

そんな願いが ”HALU" には込められています。

HALU珈琲が大切にしている2つのこと

1.Fresh 新鮮であること

コーヒーは多くの方に飲まれている一方で、
「コーヒーを飲んだら胃がもたれる」「一杯しか飲めない」などの声がよく聞かれます。コーヒーってそういうもの、それが一般的な認識となっている気がします。

コーヒーを飲んだ後の不快感は、実はコーヒー自体の性質というより焙煎後の「酸化」が大きく影響しています。

コーヒー豆は焼かれると、中から油脂分が染み出てきます。この油脂分が空気に触れ「酸化」し、油の回った臭いや雑味、嫌な後味の原因になります。高温多湿や時間の経過により酸化は進むので、焙煎して日にちが経ちすぎていたり低い温度で適切に保管がされていないと、どんどん酸化して風味が落ち、胃がもたれるようなコーヒー豆になってしまいます。
freshなコーヒーは、香り高く爽やかな飲み心地、嫌な酸っぱさや雑味・えぐみのないスッキリとした後味、胃もたれせず体に負担がない のが特徴です。

HALU珈琲では、新鮮(fresh)なコーヒーをお客様に味わっていただきたいため、ご注文を受けてから焙煎しお届けしています。

また、コーヒー豆は焙煎した直後から炭酸ガスと一緒に香り成分が抜けていきます。揮発性が高い香り成分ほど消失が早く、香りの少ないコーヒーになります。さらに、ガスが抜けた豆は膨らみにくく組織の開きが弱まり、成分の抽出も悪くなります。常温であれば2週間くらいで違いが分かるほどに変化すると言われています。

そのためHALU珈琲では、コーヒーの味や香りを損なわず、体に負担なく召し上がっていただけるおすすめの期間として、賞味期限を焙煎後「2週間」に設定しています。

⚫︎保存について⚫︎
空気に触れる表面積が大きいほど酸化は進むので、できれば豆のままの状態で気密性の高い容器に入れて冷蔵保存し、その都度挽いてから淹れていただくとよりおいしくお召し上がりいただけます。

ドリップしたコーヒーを保温しておく場合も、化学変化によりだんだん酸っぱくなっていくので、飲み切れる量のドリップをお勧めします。

豆を長期保存する場合には、気密性の高い容器やジップ付きの保存袋などに入れ冷凍保存すると、数か月は風味を残したままお召し上がりいただけます。未開封でも、コーヒー袋は炭酸ガスを逃がすための穴やすきまがあり、密閉ではない構造のものが多いのでご注意ください。
コーヒーを淹れる時は、急な温度変化で豆が吸湿しないよう、気密容器ごと常温に戻してから開封すると、より良い状態が保たれます。

2.Sustainable 持続可能であること

sustainable(サスティナブル)とは「持続可能な」という意味があります。昨今よく耳にするSDGsの「S」はsustainableのSです。

持続可能な社会とは、一時的な利益やごく一部の人達だけの快適さを求めるのではなく、世界中の人々、地球環境や生息する生き物達すべてが未来の世代まで、豊かな自然と共存しながら平和で幸せな暮らしをずっと続けていけるようにしよう、という世界全体の目標です。環境問題や貧困、そこから派生する児童労働や教育の問題は、コーヒー栽培とも関わりは小さくありません。

HALU珈琲では、自然環境や生産者さん達の暮らしを守りながら、公正に栽培・取引きされている豆を扱っています。

どこの国のどこの農園でどのように栽培されているのか、生産者さんの労働環境や暮らしは守られているのかどうかなど、同じ想いを持った生豆のバイヤーさんのご協力をいただきながら、現地の栽培方法や生産者さんの様子をできるだけ分かりやすくお伝えしています。

背景が見え、関わる人々やその家族、子ども達の笑顔がいっぱい詰まっているような幸せなコーヒー豆をセレクトし、情景が浮かぶような情報と共にみなさまへお届けしていきます。

HALU珈琲 代表 大島由美子

HALU珈琲story
代表 大島由美子
茨城県生まれ。花好きの母と一緒に小さい頃から「庭いじり」を楽しみ、花や自然の世界にはまり込みながら育つ。
高校生の時に環境問題に関心を持つ。
恵泉女学園短期大学・園芸生活学科へ進学後、植物について広く学び、花の色素の研究を専攻して植物の不思議を深く学ぶ。在学中に一般公募のマレーシア植林ツアーに参加。植林自体には、もっととことん植える時間が欲しかった!という物足りなさを感じつつも、地球環境に対して同じ想いを持つ幅広い年代のよき友に出会う。

卒業後東京の園芸関係の会社に就職し、半年間千葉県農場勤務、その後都内でリース花の配達・花壇の植え込み・イベントの花飾り等の仕事に従事。4年間勤務した後退職し、友人と2人で3か月間アジアバックパック旅行に出る。ラオス・タイ・ベトナム・中国・韓国・マレーシア・トンガ…様々な国の人々と文化に魅了される。
アジアの光景・空気・人々・文化に直接触れられたことが、今に繋がる貴重な財産となっている。

短大からの友人と『気まぐれ工房 土の仲』を結成して、自然をモチーフにした小物等を制作。展示会やイベント出店・販売しながら自然の美しさや素敵さを表現する日々を過ごす。

結婚を機に岡山へ移住。岡山市内で暮らした後、「センス・オブ・ワンダー」の一節にあるように、子どもが小さなうちに、自然に対する「神秘さや不思議さに目を見張る感性」を授かり、持ち続けるようになってほしいと夫婦で願い、美しい雪やダイナミックな山や森が身近にある県北の新庄村で子育てをする。4年間在住後2013年夫の故郷倉敷市児島へ。

煎りたてのおいしいコーヒーを飲みたいと、夫が趣味で焙煎を始める。いろいろな豆を試す中で、freshな豆とsustainableな豆のおいしさを再確認する。
「オーガニックやフェアトレードでも、豆が酸化していては、品質の良いおいしいコーヒーにはならない。志や気持ちのあるものだからこそ、おいしさによって広まらないと幸せな未来に繋がっていかない。」とナチュラルフード業界で長年働く夫が、常々口にしていた。
それに納得共感し、良いものを良い状態で提供し本来のおいしさを知ってもらいたい、広まるべきものが広まっていく幸せな未来への一助になりたいと思い、元々コーヒー好き研究好きなこともあり、2020年にHALU珈琲を開業。
2023年現在、大学生高校生小学生、2男1女の子育てをしながら、実店舗を持たずオンラインショップをメインに営業している。   

<参考・引用>
●旦部幸博 著『コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか』(講談社)
●レイチェル・カーソン 著、上遠恵子 訳『センス・オブ・ワンダー』(新潮社)